■人気バンドの長年のサポート
クジヒロコ。キーボーディストである。
現在の主な活動は「約8年間」と長きにわたり、人気バンド「スピッツ」のサポートミュージシャンとしてライブ活動やレコーディングに参加している。
スピッツファンの方なら「クージー」の愛称で声援された人達も多いのではないだろうか?
4人編成のギターバンドでの「+1」º足りないモノとしての「+1」であることはもちろん、何か新しい「+アルファ」である事も求められるのでは無いだろうか。
幼少のころからエレクトーンに親しみ、EL&Pやドアーズを弾きまくるうちにロックに目覚めたという。
いくつかのバンドを経てMr.Christmasに参加しSWITCレーベルよりデビュー。
その後、dip、VENUS PETER、PEALOUTなどのバンドに関わり、現在はスピッツのサポートメンバーとして活躍している。
これだけ長い間一つのバンドに参加しつづけられるのは、メンバーやスタッフの信頼がとても厚い証拠でもある。
クジ自身、呼ばれたからには「ここでこうくるか」みたいなサプライズや「他の人じゃこんなこと考えないでしょ」と思われることをその度ごとに示していきたいと言う。
「参加するからには自分にしかないフレーズやアレンジなどを表現したい」とも。
実際にクジに対する細かなオーダーは非常に少ない。
「とても自由にやらせてもらっている」と言う。
「こういう風にやろう」など自身で考えて参加するのか?との問いには
「それが「ない」のであれば参加する意味がない」と答える。
ライブもスタジオでの制作も生き物なので、どんどん変化していくし新しい発見もある。
一度として同じ演奏はないし「常に勝負!!」という感じだと。
「みんなで色々と出し合って、新しいものを作っていくという場面で呼んでもらえるミュージシャンになりたい」
「煮詰まった時に、あいつを呼んだらいいんじゃない」と。
呼ばれた限りは予想以上のものを出したいと説明する。
「器用じゃないけど絶対おもしろいことをやるよ、みたいな。」
そのスタンスは、プロミュージシャンの「プロフェッショナルな仕事」というよりも「アーティスト同士のセッション」といった雰囲気に近いのかもしれない。
「テクニックで呼ばれているわけではない」と話すが、個性的な表現力はもちろん、その演奏能力や音楽センスは十二分に評価されているようだ。
ミュージシャン仲間によると
「ユニセックスな存在感。クールな演奏っぷり。美メロを書かせたら天下一品なのでソロ作品期待してます。」
と言われるほど。
またその人間性に関しても
「豪快なロックネエチャンと思われがちだが実は繊細。見た目とうらはらに女らしい優しさを持っている。」
と評される。
今後は自分自身の曲作りや音楽活動も行っていきたいとのことだ。
■もう一つの顔、素敵な「BAR」は魅力の象徴
クジはもう一つの顔を持つ。本人は「趣味」というが都内でBARを経営している。「きっかけは、お酒が好きで毎月の出費を計算したところ、もの凄いことになっていた。こんだけあったら家賃払えるじゃん」「しかもお金を払うんじゃなくて、払ってもらえる」と笑う。
現在の店は2件目で最初の店から数えると5年がたつ。
店内はサウンド同様クール(カッコイイという意味)で暖かみのあるお店だ。
クジ自身は「しんどいことも多いけど本当に店をやってよかった」という。
せっかくの出会いの際「今度、飲みにいきましょう」は良くある話だが、実際にそれが実現することが少ないことも事実。
でもBARをやっていると、実際、ココを訪れてくれる人がとても多いという。また、ツアーなどでクジが旅に出る場合も信頼のおける仲間が店を切り盛りする。
「全然違う世界の人達が集まって、それが拡がっていく。お互いに新しい発見があるし、リスペクトしあえる。」
実際にココでの出会いがきっかけで「いろいろな作品」に繋がっていくこともあるという。
多くの人達が訪れるこのBARはクジの魅力の象徴かもしれない。
音楽の仕事としての魅力や楽しさに関しても「色々な出会いがあるというのはとても貴重」だと一番に上げた。自身の中で「人間関係の大切さ」というプライオリティが非常に高いのだろう。
ゲストもクジに触れることで「なにか」を感じることができる。だからここに集まり時間を過ごす。
音楽に関しても「大きななにか」を求められ、それに応えるようにクールに、そして個性的にこれからも鍵盤を弾き続けるのだろう。