PC-DVDインストール時の注意(IRQシェアリング問題)
CREATIVE PC-DVD Encore Dxr2 for DOS/V (型番:PCDVD/DV)を取り付ける際の留意事項を紹介します。ここでは、DVDを再生するためのデコーダカードであるDxr2カードの設定について解説します。

<対処方法>

IRQのシェアリング(共有)問題

Windows 95 のバージョンには、98年9月現在、下記のバージョンがあります。

  • Windows 95 4.00.950 (Retail)
  • Windows 95 4.00.950a (OSR1)
  • Windows 95 4.00.950 B (OSR2 without USB Supplement)
  • Windows 95 4.00.950 B (OSR2.1 with USB Supplement)
  • Windows 95 4.00.950b
  • Windows 95 4.00.950 C (OSR2.5)
上記の3〜6のバージョンの場合(以下OSR2 と記す)、IRQのシェアリングが可能になっています。パソコンでの IRQ共有というのは、長年の夢でした。周辺機器を増設経験がある方であれば、ご存知のことと思いますが、増設の際に、IRQ不足問題が常に頭を悩ませてきました。

OSR2 の登場で、ようやく、PCIバスのIRQの共有が可能になりましたが、このIRQの共有は、OSR2 というOSだけで可能になったのではありません。完全なIRQ共有の実現のためには、
  1. マザーボードの BIOS のサポート
  2. マザーボードのチップセットのサポート
  3. OSのサポート
の三つが完全に動作しなければなりません。
OSR2 は、この IRQ共有を(ほぼ)サポートしています。しかしながら、すべてのパソコンが、AとBの条件を満たしているとは限りません。
また OSR2は、通常の Windows 95のように、一般店頭で販売されておらず、OEM専用としてメーカー製の新型パソコンを買わなければ、入手出来ません。
(このようなパソコンは、上記のA、B、C三条件をみたしているはずです)

IRQのシェアリング(共有)とDxr2カード

IRQの共有をしている場合、デバイスマネージャでリソースの確認をしても、正常に設定されて動作しているように見えるにもかかわらずDVDの再生をさせると、

  • 黒い画面に緑色の横線が瞬間的に表示される
  • マウスが死んでしまう(ただし、キーボード操作は可能)
  • 再生画面が横に流れてしまい、何を再生しているのか判らない
等の不具合が発生することがあります。原因は、IRQの共有がうまくいっていないことが考えられます。対処方法として、Dxr2カードに単独のIRQを割り当てれば、IRQの共有を回避できます。

PCIバスに、単独の IRQを割り当てる方法には以下のようなものがあります。
  1. Windows 95 のバージョンを4.00.950 (Retail) または、4.00.950a (OSR1) にする。
  2. IRQ が重複しないように、Dxr2カードと同じIRQを使う周辺機器をパソコンから取り外す。
  3. BIOS の設定で、Dxr2カードが使う PCI バス(スロット)に、単独のIRQを割り当てる。
  4. デバイスマネージャで、リソースの設定変更をする。
(3の方法は、BIOSの設定画面に、この項目がある機種で可能です。4の方法も、環境によって出来る場合と出来ない場合があります)

弊社のサポートセンターに、問い合わせのあった不具合のうち、IRQのシェアリング(共有)をやめたところ、相当数の不具合が解消されました。おそらく、
  • マザーボードの BIOSのサポート
  • マザーボードのチップセットのサポート
  • OSのサポート
の三条件がうまく機能していなかったものと考えられます。 IRQのシェアリング(共有)をおこなっている環境で、DVDの再生がうまくいかない場合には、IRQのシェアリング(共有)を止めてみて下さい。
  戻る